読書録No.8:カリスマ論【岡田斗司夫】

 

こんにちは、趣味男(hobby___man)です。

 

今回ご紹介する本は岡田斗司夫さんの『カリスマ論』です。

 

岡田斗司夫さんの本はとにかく面白いし、未来予測的なものが非常に正確であると感じます。そして考え方も現実的というか、本当に庶民的なアドバイスというか、住む世界が一緒なんじゃないの?と思わせてくれるような話し方というか。(笑)

 

難しい言葉を使っていないくてわかりやすいのに、考察自体が的確でかなり深いものになっているのが岡田斗司夫さんの著作物の印象です。ハズレがない印象ですね。

 

Kindle Unlimitedで無料で読むことができるので、読書が好きな方はおすすめです。岡田斗司夫さんの他の著作物についても無料で読むことができます。

 

こんな方におすすめ

  • カリスマを目指している人
  • 現代のカリスマがどのように稼いでいるのか知りたい人
  • これからの社会の予測に新しい視点を取り入れたい人

 

 

カリスマに必要な構成要素は大きく分けて4つ存在する。

 

 

この本で扱っているカリスマは、『影響力が大きく、開放的なカリスマ』です。例えるならば、岡田斗司夫さんをはじめとしたホリエモンやキングコング西野さんのような、影響力は大きいんだけど、自由に離れていくことができるカリスマです。

 

教祖のような閉鎖的なカリスマに関しては論じていません。冒頭にこの説明を持ってくることによって岡田さんの論じる『カリスマ』像を明確に読者にイメージさせています。

 

さて、そのような開放的なカリスマには、大きく分けて4つの資質能力があると論じています。もちろん全ての人が4つの力全てを持っているわけではありませんが、この4つの力を知ることにより、自分自身の行動を客観的に分析し、自分に足りないものが何なのかを考える材料になります。

 

要素1:シナリオライター

 

シナリオライターという能力は、「未来を予測し、予測した未来を確信している」能力です。先が見えているわけですから、自ずと自分のやるべきことが分かりますし、他人に対しても「なぜ自分のようにしないのか?」という疑問さえ湧いてきます。

 

例として本書では『マルクス』を挙げています。資本論で有名なマルクスですが、マルクスが論じていたのは『資本家が労働者から搾取して利潤を得ている現実を考えると、搾取されて貧しくなった労働者は階級闘争を開始し、世界はゆっくりと共産主義に傾倒するだろう・・・』と言ったものです。

 

マルクスにとってはそうなる未来に確信を持っているわけですから、『労働者よ、今立ち上がらなければいつ立ち上がるんだ!!!!』という念が湧いてくるのは当然のことです。

 

カリスマは、自分が見ている未来を疑わないんですね。こうなる!という絶対的な確信を持っているのです。みんながホリエモンさんや岡田さんにアドバイスを求めたくなるのは、きっとこうした『シナリオライター』的な要素を持っているからなのでしょう。

 

要素2:パフォーマー

 

パフォーマーは、自ら動かなくてはいられない性分のカリスマ要素です。人を動かしたい!と願うと同時に、自分自身も行動せずにはいられません。

 

キングコング西野さんを例に挙げていますが、西野さんは『シナリオライター』の要素も強いので、こうなるはずだ!という未来が見えているかつ、その未来のために行動することができる人です。

 

絵本を書いたり、単独ライブをしたり、様々な活動を通して現代のカリスマとして名をはせています。自らが行動を起こし、ムーブメントを起こそうとする姿勢は、『がんばれ!応援してるぞ!』という想いも相乗効果で群衆を動かしそうですよね。

 

要素3:プロデューサー

 

プロデューサーという言葉ですが、Wikipediaで検索するとこんな感じの意味が出てきます。

 

映画テレビ番組ラジオ番組ドラマアニメなどの映像作品、ポスター看板などの広告作品、音楽作品、コンピュータゲーム作品制作/製作アイドルなど、制作活動の予算調達や管理、スタッフの人事などをつかさどり、制作全体を統括する職務、その現場の責任者を指す[1]ディレクターよりも広範囲な管理指揮権を有し、制作物の商業的な成否について責任をもつ。

 

つまり、何か制作をしているときの現場の方向性を決定し、それに責任を持つ役割といったところでしょうか。つまり、指揮官的なところですね。

 

つまり、プロデューサー的な要素を持つカリスマは、他人の人生に介入し、お節介にも『こうした方が良い!』といって他人の人生に介入していきます。

 

一見、自分自身の我欲で『俺の通りに行動しろ!』みたいに見えるのですが、実際はそうではなくて、

 

『明日津波が来るんだ。だから高いところまでみんな逃げるんだ!』

 

こういった、まさに未来からきたヒーローがこれから起こることをみんなに伝えても信じてもらえないような、そんな大義名分を背をっているようなイメージなのです。

 

だからこそ、『そんなことは絶対にない』『馬鹿を言え』と言ってくる人も放っておけないのです。絶対にみんな助ける!そのために力を貸してくれ!と言って、周囲を巻き込んで行動を起こす人がカリスマと言えるのでしょう。

 

逆に言えば、我欲のために人を動かそうとする人は『カリスマもどき』であり、『カリスマとは似て非なるもの』ですね。

 

個人的には、ブログ月収〇〇万!的なものもそういう類の一つに感じてしまいます。そのように誘導すれば自分自身の信者も作れるわけですからね。カリスマもどきだと感じてしまいます。(個人的な感想です!)

 

 

要素4:トリックスター

 

『トリックスター』は、社会をかき乱すいたづら者のような存在です。既存の枠に囚われずに行動するため、権威には動じません。

 

本書で例を挙げているのは『立川談志』さんです。

 

立川さんは落語協会に盾をつくような形で、『落語立川流』を設立しました。

 

※落語会では当時落語協会が絶対的権威であり、真打(落語家の中での最高位)になるためには落語協会のお墨付きが必要だったようです。

 

落語協会は立川流が寄席に出席することを禁止するまでに至ったそうです。私自身落語は全く詳しくありませんが、当時は本当に大きな動きであったようです。

 

トリックスターは本当によく転ぶようで、フジテレビを買収しようとしたら逮捕されるとか、スキャンダルで簡単に暴落するとか、カリスマは確かにそういうイメージがありますよね(笑)

 

『カリスマ』を育てる生き方もある!

 

カリスマになりたい人もいると思いますが、本書の中で、カリスマにならなくても面白い生き方がある!と岡田さんは述べます。

 

それが、自分自身がカリスマを育てることです。

 

育てるというと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、要するに『応援する』ということですね。カリスマの卵を見つけ、その人を応援すること。そんな生き方も十分に面白く、その人が有名になったときに『私が育てたんだ!!!!』と誇らしい想いを抱くことも、人生を面白くするコツであると述べています。

 

地下アイドルを応援したり、売れないバンドを応援したり、そんな印象を抱きますね。でも、確かにそういう人たちは楽しそうに暮らしているような気がしますね。

 

『カリスマ=幸せ』ではない。

 

『カリスマ=幸せ』だからこそカリスマになりたい!という人が多い中で、逆張りのような主張をする岡田さん。

 

カリスマは確かに色々な人に影響力を及ぼすが、カリスマになったから幸せになるとは到底言い切れるものではありません。カリスマ故の苦労もあるでしょうし、人には向き不向きがありますから。

 

その人なりの幸せを追求し、それがカリスマになる!なのか、カリスマを応援するなのか、それは人によって違うもの。

 

『自分の幸せ、自分が楽しく生活するにはどうすればいいんだろうな』という問いを残してくれているところが、私自身この本の評価を上げる要因の一つになりました。

 

岡田斗司夫さんの本はハズレがなくて本当に面白いです。

 

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それではまた!読んでいただいてありがとうございました!

 

 

 

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