読書録No.13「フロー体験」喜びの現象学

 

こんにちは、つくるぶ(hobby___man)です。

 

今回ご紹介する本は、フロー体験 ー喜びの現象学ーです。

 

 

個人的にかなり気に入っている本です。私の中では人生のバイブル的な位置の本です。

 

しかし、決して読みやすい内容というわけではなく、どちらかといえば分量が多くて、言い回しも少し難しい、そんな印象の本だと思います。

 

ざっくりいうのであれば、

 

『幸せを感じる方法』がわかる本です。

 

物質的には豊かになったと言われている現在ですが、幸福度は相乗的に向上しているのでしょうか。

 

皆さん、幸せを感じたいですよね。

 

 

幸せについてもう少し踏み込んで勉強したい、知りたい。

 

どうすれば「幸せ」を感じれるのか、学んで実生活に生かしたい。

 

 

そんな人たちに本書はおすすめできます。

 

著者「チクセントミハイ」さんはどんな人?

 

著者のチクセントミハイさんはハンガリー出身のアメリカの心理学者です。

 

 

 

 

「幸福」「創造性」「主観的な幸福状態」「楽しみ」に関する研究を行なっている方です。

 

ポジティブ心理学とも呼ばれているようですね。

 

2021年に87歳で亡くなっている方ですが、1990年代に出版された本書「フローの概念」がポジティブ心理学の大部分を占めていると言われているようです。

 

ポジティブ心理学のドンのような方ですね。

 

幸せを感じる方法とは?

 

 

さて、皆さんも気になっているであろう「幸せを感じる方法」ですが、本書の中では

 

「フロー状態≒幸せを感じる状態」とされています。

 

なので、私たちが「フロー状態」に突入することができれば、「幸せを感じることができる」ということです。

 

また、フロー状態に入ることで、自己を拡大し、結果として人間としての成長を促し、幸せを感じるアンテナを広げることができるのではないかと考えられています。

 

フロー中とは「自分自身のことを忘れて、行為に100%集中している状態」のことを指すようです。そう聞くと難しいように感じますが、フローに入る条件や方法に関しては本書の中で非常に分かりやすく解説されています。

 

非常に簡単ではありますが、フローに入る条件について少しお話ししたいと思います。

 

1目標の設定

 

フローに入るためには、明確な目標を持たなければいけません。

 

フローするためには、自分の行動が正しい方向に進んでいるかどうかのフィードバックを必要とするからです。

 

ゴールがなければ、自分自身が正しい方向に進めているのかどうか、分からなくなってしまいますよね。

 

ちゃんと目標に対して、自分の行動が正しい方向に進んでいるかどうかを常時監視(フィードバック)する必要があるわけですね。

 

そして、その目標は、自分自身の能力と挑戦のレベルが釣り合っている必要があります。

 

例えば、テニスの初心者が上級者と試合をしても、初心者は面白くありません。

 

また、上級者も初心者と試合をしても、テニスのゲームとしての楽しみは感じられないでしょう。

 

これは、「目標」と「挑戦」のレベルが噛み合っていないからです。

 

テニスの初心者であれば、「ネットを超えて返球する」だったり、「狙った場所に打球を返す」だったり、

 

そういう目標の方がずっと面白く、フロー状態に突入する確率を高めていきます。

 

自分の能力に応じた「目標の設定」をすること、これが非常に重要なポイントです。

 

良い目標を立てる人は、「自分自身で決めた」目標であることを知っている。

 

目標にも「良い」「悪い」があります。

 

よりフローを起こしやすく、また自分自身の成長につなげる目標は

 

「自分自身でその目標を設定したことを知っている」目標です。

 

つまり、「この目標は自分で決めたものだから、頑張って達成するんだ。」という主体性を持っているということです。

 

外部から指示された目標だと、いまいちフロー状態に入れなかったり、フロー状態に入れたとしても外側からの統制であるため、自己の成長をそこまで促さないようです。

 

目標は、外側から決められたものではなく、自分自身でしっかりと決めた目標を持つこと。これも非常に大切なポイントの一つのようです。

 

2、活動への没入

 

次に、活動への没入が必要です。

 

没入とはつまり、現在やっていることへの100%の集中を指しています。

 

日々の生活を楽しみ、フローしている人は、目の前の出来事に対して挑戦の機会を見出し、現在行っていることに100パーセント集中します。

 

皿を洗っている時、掃除をしている時、仕事をしている時、一瞬一瞬の瞬間に没入するように生きています。

 

しかし、目標が大きすぎると目の前の出来事に対する没入は難しくなります。

 

億万長者になりたい、世界のてっぺんを取りたい・・・とかね。

 

そういった目標ではなくて、目の前の現実に合わせて、自分自身の目標を設定する。そして、それを挑戦の機会と捉え、楽しみながら活動する。

 

どんな出来事からでも、自分自身の能力に合わせた目標は設定可能です。目標設定は、あなた自身の能力です。

 

日常を退屈だと思う前に、日常から目標を設定する能力を育ててみると良いかもしれません。

 

3、現在起こっていることへの注意集中

 

条件の3つ目は、現在起こっていることに注意集中することです。

 

そして、注意集中を妨げる大きな原因の一つは、「自意識」です。

 

自分自身がどのようにみられているのか、どのように振る舞うべきなのか、

 

そういった自意識は現在起こっていることへの注意集中を大きく妨げます。

 

そして、注意集中に関しての能力が非常に高い人物は、こういった自意識に悩まされることは少ないようです。

 

以下は本文の抜き出しです。

 

混乱を引き起こす最も一般的な原因である自意識は、このような人(注意集中が上手な人)にとって問題にならない。自分がどのように振る舞っているか、自分は外からどのようにみえるかについて思い悩むことなく、彼は心を挙げて自分の目標に立ち向かう。

 

しかし、どうしても自意識が消えてくれない人も中に入ると思います。

 

私自身もそのタイプでしたが、やはり「瞑想」は効果があると思います。

 

自意識を中々消すことができない人は、日々のルーティンに「瞑想」を取り入れると良いですよ。

 

瞑想は自分自身の注意を集中する練習になりますので、毎日数分でも良いのでチャレンジできると良いと思います。

 

1年間くらい毎朝毎晩実施していますが、中々効果を感じていますので。おすすめですよ。

 

 

4、直接的な体験を楽しむことを身につける

 

本書では、よりフローを感じやすい人物のことを「自己目的的な自己を持つ」と表現しています。

 

自己目的的とは、手段がそのまま目的になることを指しています。

 

芸術家がまさにそうですね。彼らは絵を描くために、絵を描いています。

 

つまり、日常生活から幸せを感じることに必ず必要なのは、この「行為」自体を「目的」とすることを指します。

 

つまり、「〇〇になりたいから××する。」ではなくて、

 

「◯◯するために〇〇する」です。

 

「なぜ、あなたは山に登るんですか?」

 

「そこに山があるからです。」

 

この問答に少し似たところがあるかもしれません。山に登るために山に登るんです。

 

いやいや、目標を持っているんだから「目的」は目標達成でしょうよ。

 

なんて思う人も多いと思います。それじゃあ、目標は持たなくて良いのか?という話にもなりますよね。

 

もちろん目標は必要です。

 

目標があり、それに対して正しく進んでいるのかというフィードバックは必ず必要です。

 

 

ですが、それと同時に、その「行為」自体を「目的」として楽しむことも重要である、ということなのです。

 

 

日々の瞬間を意味のあるものにするために。

 

しかし、実際に目の前の課題にのみ集中しているだけでは、人生を振り返った時に、全ての点がつながることなく、何も意味を持たなくなってしまいます。

 

自分、今まで何していたんだろう・・・。

 

ということになりかねません。

 

大切なのは、「人生」という長い旅全体を通しての目標を持つことです。

 

どのような行為も、最終的にはその目標によって統制されることになります。

 

その目標を持って人生を振り返った時に、初めて自分自身が行ってきた「行為」が線となって繋がっていくのです。

 

フローに入ることで、今という瞬間を集中して生きていくこと。

 

そして、

 

人生という旅の全体の文脈での目標をしっかり持って生きること。

 

この二つが大きなキーワードになってくるのではないでしょうか。

 

今回の記事では、「フローへの入る手段・方法」について主に触れていきました。最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。

 

フローについてもっと深く知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってみることをおすすめします。

 

ではでは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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